一般的情報系学生の就活状況-前編-

 2021年も残りわずかとなりましたが,みなさんいかがお過ごしでしょうか.技術系の話をQiitaに書くようになったのでこっちに書くことがなくなってしまい,それじゃあ最近後輩にも話すようになったし就活の話でもするかと思い立ちました.前編と書きましたが丁度半分になるかはわかりません.とりあえず今年いっぱい(B3の冬)までの話をしようと思います.

はじめに

 就活の形態なんて人それぞれだと思うので参考程度にしてほしい...なんてことはみなさん言われるまでもないと思いますが,そうは言っても筆者のバックグラウンドが分からないことには得られる情報も得られないでしょう.ということで自己紹介のような但し書きです.

入学時から何となくでもIT業界で食っていくことを考えていて,実際IT業界に絞って就活をしています.学歴についても書類でディスアドバンテージを踏んだ感覚は(今のところ)無いように思います.

  • コロナ禍,オンライン真っただ中の状況

合同説明会,企業説明会,面接など多くのイベントがオンラインで参加できました.今後同じような状況が続く保証はありません(まあ今後も続いて欲しいし,続いているようなところに勤めるのがいいとは思いますが..).

 ちなみに学部卒で就職しようと思った理由は3つ.「奨学金(返済)という心理的負担を抱えたまま院進したくない」「業界的に直接的な研究経験がそこまで必要ない」「研究がしたいわけではない」です.院進したところで猶予は一年ちょっとしか伸びないので,別段研究したくないならさっさと就職した方がいいと思います.(材料とか生物系は知らない.頑張って.)

前半戦のスケジュール

 本題です.

~2年生

 マイ○ビなんかが主催する合同説明会にちょいちょい参加していました(といっても意識高く情報を主体的に集めていたわけではなく,諸事情で情報が入ってきやすかっただけなのですが).ア○ゾン,I○Mのような名だたる企業が参加していましたが,業界・職業理解にはもってこいの場所だと思います.様々な業界が一堂に会するので広く情報収集できますし,WEB開催であれば課題でも片付けながら耳を傾けていればいいのです.とにかく最初を知ることが大事.やる気は出すまでが9割.

 一方でハッカソンの発表会なんかを見ていると,学生のうちから経験を積んでいる人との力の差を如実に感じるようになりました.そもそも高校以前から技術に触れている人もいるわけで,そういう人たちに少しでも追いつけるよう何らかの機会を探し始めることになるのです.

3年生,春

 ベンチャーで長期インターンを始めました.大手だと実務・開発経験を当たり前のように求められますが,自分が応募したところは経験の有無を問われなかったので,コードテストを何とか突破することで採用に漕ぎ付けました.やはり実務と結び付いたインプットはアウトプットとの距離が近く非常に効果的で,学習のモチベーションにも直結します.インフラ面では会社のリソースを使わせてもらえる場合があるのも美味しい.

~3年生,秋

 普通に講義や課外活動が忙しくてたまにマ○ナビ眺めるくらいでした.ちなみに課外活動はオンラインだったり大学から認可もらったりしたやつです.悪しからず.インターンのお仕事はゴリゴリ続けていました.

3年生,秋~

 本格的にエントリーを始めた矢先に,「逆求人」なるものがこの世には存在することを知りました.自己PRや志望業界を登録しておくと,新卒を求める各企業の人事さんが気になる学生に会社の案内を送るという仕組みです.メリットはいくつかあって

  • コスパ良く自分と合う企業を知れる

  • 会社側が求めているものが(ある程度)わかりやすい

  • 運が良いと特殊ルートに進める

とかが挙げられると思います.手間をかけずに視野を広げられるのは性に合っていると思いました.探すフェーズに手間をかけずに済んだ分,説明会や仕事体験にコツコツと参加していました.

所感・雑記

 ここまでのまとめ的な.

  • 中小企業に当たりをつけるのが大事

 日本の企業は中小企業が9割を優に超えている,というのは有名な話ですが,少なくともIT業界に限って言えば「新卒は大手」メソッドは通用しないように思います.中小企業であっても急成長を遂げるベンチャーや強い自社製品を持っている企業など,大企業に負けず劣らずの力を持っている企業が数多く存在します.むしろ研修が形式ばっていたり,配属が希望通りいかなかったりとデメリットの方が大きそう.

  • よく使う言語は何ですか?

 説明会で良く聞くのが「よく使う言語は何ですか?」「(言語名)は使いますか?」系の質問.これはただの愚痴ですが,そんなの案件やメンバーの技術スタックにも依るし,そうなるとJavaとかRubyみたいな安牌な回答が返ってくるに決まってます.そんなら未経験なら安牌言語を学んでおけばいいし,それ以外ならモダンなやつに触れておけばいいんじゃないでしょうか(VueとかGoとかKotlinとか).どのみち案件に必要な知識は適宜仕入れる必要に迫られます.そこで勉強すればいいだけの話.

  • GDは意外に曲者

 これは自分が下手なだけな可能性もありますが,GDがあるような企業だと文系学生とも組むことになる場合が多いです.そうなるとあまり技術ドリブンな考え方に寄るとかえって足枷になることも.敢えて”一般的な”視点に立つことも必要そうです.

  • 思った1.5倍は忙しい

 11月,12月は調子乗っていろいろイベント入れていたらスケジュールがカツカツになってしまって微妙に後悔していました.説明会からシームレスに筆記試験が始まってしまって,しかも1週間以内に受けてくださいみたいなパターンとか,次が面接となると矢継ぎ早に日程を組まないといけないパターンとかが多いので,当初の1.5倍くらい予定が入るような感覚になります.並行するのはまあ5社くらいがラインじゃないですかね...ちなみに,当たり前のように就活ルールは無視されています.

何となく考えていること

 企業選びは軸が大事と良く聞きますが,その軸をしっかりと定めるのは存外難しいものです.本当にその会社でしかできないことなんて実際問題ないし(強いて言えばそこが採用してくれるかどうか),そもそも譲れない働き方があるほど真剣なら,さっさと起業してると思います.だからできることと言えば,過去の経験から自分の根底にあるマインドを絞り出して,将来像と結び付けること.その上で企業独自のビジネスに絡めることができたらベストでしょう.

 後は学生のうちから技術的な素養を身に着けておくことが大事ということ.真面目に学生やってるだけでも就職自体に困ることはないかもしれませんが,ゴリゴリの開発力を求める所は少ないまでも,未経験お断りなインターン(リ○ルート,De○Aとか)やコードテストを設ける所を選択肢に入れるには,やはりある程度の知見を広げておくことは必ずプラスになります.単純に面接とかで喋ることが増えます.

おわりに

 ここまで別段特別なことを書いたつもりはありませんが,一年前の自分だったら前もって知りたかったであろう情報を連ねたつもりです.なお,ここまで読んだ方はなんとなくお分かりかと思いますが,僕は細かいことを言えばそんなに真面目な人間ではありません.どうせ働くなら楽しくやりたいし世のためにもなりたいよね~くらい.まあ言うても根っこの部分ではクソ真面目なつもりですが...コツコツやってきた分を,ゆるりと成果に結び付けたいものです.(後編に続く?)